KK Barrettとの出会い(2)

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UNIQLOの撮影で初めて一緒に仕事をしたKK。仕事、デザイン、美術について、たくさんの話をすることができた。
その中でKKが言った一言は、とても印象に残るものだった。

朝からバタバタだったある日の撮影。終わりに、KKが心配そうに聞いてきた。「トモのアシスタントは、僕やトモに怒鳴られて命令されて落ち込んでない?泣いちゃったりしない?」と。
「いつもこんなものだよ。」と僕が答えると、KKは言った。

「こんなの、たかが仕事だよ。」

この一言は、とても印象的だった。つまり、撮影現場ではプレッシャーのかかる場面は多くあるが、たかが映像の仕事だよ。生活の一部でしかないんだから、怒られたって心まで疲弊させなくても良いということだ。

これは僕自身も心のどこかにいつもある考えで、若い頃に助手として付いていた巨匠にも言われていたことだ。
もちろん現場では無茶な要求もするし、失敗すれば怒ることもある。助手のみんなは泣きたくなることもあるだろう。
でも、たかが映像の仕事なんだ。
これはもちろん、無責任に仕事しても良いということではない。こだわりだって持っているし、配慮だって必要だ。ただ良い意味で、僕らがやっている映像美術の仕事は生活の一部でしかないのだから、心まで疲弊させる必要はないと考えている。

なかには人生を映像や作品に捧げている人もいるだろう。それはそれで良いと思うし、KKはアカデミー賞クラスの有名デザイナーで常に究極を求めている人だから、そうしたストイックな人だろうと思っていた。
そんな巨匠が僕と同じような考えを持っていることは意外だったが、彼に対して更に親近感を持つことになる一言だった。

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