Kim Reesとの出会い

以前、380通くらいの営業メールを出し、結果的に仕事につながったのは一人だけだと書きました。(営業メール380通。会えたのは、たった一人。)名前はKim Rees。

初めて会ったのは、ハリウッドの大道具会社。そこで彼は、関わっているプロジェクトのセットを作っていました。そのスタジオ名を聞いてびっくり。ハリウッドでも大手のユニバーサルやソニーを除けば最大級のGlobal Entertainment Industryだったのです。

何か聞かれたときに説明できるよう、とりあえずiPadだけ持って向かいました。何百通もの営業メールから初めて会ってもらえる人だったこともあり、また、彼のHPや作品からイケイケの売れっ子デザイナーをイメージしていたので、とても緊張したのを覚えています。しかし実際に会ってみると、Kimは「とても人柄の良いおじちゃん」でした(まだ40代ですが)。

まずは僕が携わってきた作品や、どんな絵や図面が描けるかを紹介。ここではiPadにあった静止画データが非常に役立ちました。それから僕のリールを見ながら、Kimからの質問に答えるという質疑応答が続きました。彼が最も興味を示したのは、AKB48関連のPVたち(中でも、渡り廊下走り隊「少年よ嘘をつけ」)。セットの構造もさることながら、彼女たちは一体なぜ、どういう意味で、このPVを作っているのかなど聞かれました。

ひととおり話が終わると、彼が口にしたのは、なんと仕事のオファー。翌週からスタートするかもしれないT-MobileのCMで、歌手のシェキーラが登場し、歌を歌うステージをデザインして欲しいというものでした。「こういったステージをデザインするのは得意でしょ?」と言うのです。なるほど、彼が僕に連絡してきた理由がようやくわかりました。僕は過去何年間も歌手のステージをデザインし続けてきたので、Kimはその実績を買って返事をくれたのです。いきなりテンションのあがるオファーに、僕は興奮しました。(しかし結果的には、シェキーラ自身のスケジュールが合わずにCM制作自体が流れてしまったのですが)

こうして出会って以来、Kimとはこのブログを書いている今(9月)でも毎週のように連絡をとり、一緒に仕事しています。T-mobileのオファーの後には彼が関わっている建築デザインのプロジェクトについて聞き、今では僕もこの長期間のプロジェクトにどっぷり関わっています。

初めて会った日、Kimの関わるプロジェクトの装飾に参加していたジェシーという男性から、「Kimと知り合ったのはラッキーだったね。」と言われました。Kimはとても顔が広く、業界人の多くが彼のことを知っている。その後も「Kimと仕事をしたことがあるよ」と言えば、話もすぐに弾んだのです。何百通もメールを送り、一人しか会えない…と心が折れそうになってはいたものの、ジェシーの言う通り、僕はラッキーだったと思います。


あわせて読みたい